はじめまして。研究プロジェクトマネジメント勉強会です。

こんにちは、はじめまして。 「研究プロジェクトマネジメント勉強会」の参加者のSです。某国立大学で教員をしています。専門はデータマイニング機械学習です。企業でソフトウエア開発などに携わったこともあります。

私は昨年度から自分の研究室を持ったのですが、うまく運営できるか不安がありました。

私はいくつかの大学の研究室に所属したことがあるのですが、うまく運営されているにせよ問題が起きているにせよ、運営は教授やメンバーの属人的なスキルに依存しているように感じました。

人柄や運営力に優れた教授やスタッフ陣に恵まれた研究室は、大きな問題も起きずに良い成果が出ていました。その反面、閉鎖的な組織になりやすいため、極端なことを言えば教授の人格に問題があったりすると、アカハラのようなことが起きかねない環境だと感じたこともありました。


私は組織運営について特別な訓練を受けたことはありませんし、自分に組織運営の才覚があるかもよくわかりません。ですから、自分の研究室を上手に運営できるかは、やってみないとわかりません。運営がうまくいくかは良くて五分五分といったところではないかと思っていました。

一方、大企業においては「マネージャーの才覚に賭ける」というバクチを打つわけにもいきませんから、属人性を極力排除した運営を目指した取り組みがなされています。

私が携わっていたソフトウェア開発においては、プロジェクトマネジメントの方法論を定め、誰がやっても一定以上の水準になるような仕組みがありました。ただ、企業のマネジメントの方法をそのまま大学にあてはめてうまくいくとは限りません。大学の研究室ならではの特徴に合わせて、マネジメントについて考えていく必要があります。

そこで、似たような境遇にある若手研究者や、ソフトウェア開発会社の社長たち、そして学生にも声をかけて、研究のマネジメントについて勉強会を開くことにしました。

勉強会のメンバーは以下の6名です。
・私(国立大学教員でデータマイニング機械学習が専門)
・国立大学教員(専門は情報系に移行中)
・国立大学の研究員でcomoutational neuroscienceをやってる人間
ベトナムのオフショア受託会社代表で開発大好き
・国立大学発ベンチャーの代表でmulti-armed banditが好き
・国立大学の学部4年生(情報系の学部に在籍)

これまで、半年間ほど「研究マネジメント勉強会」を続けることができ、研究室の運営や研究の進め方などを色々と工夫してきました。その結果、徐々に良い効果が現れてきているようで、メンバーからは以下のような前向きな感想が得られています。


・研究をするのが楽になった。頭の中のモヤモヤがなくなった。
・タスクに集中できるようになった
スクラムという仕組みがうまくいっている。スプリント → タスク → レビュー会というサイクルが根付いた。
・Trelloというツールが有効!プロジェクト全体を俯瞰的に見れる。

アジャイルスクラムに関する教科書を読んだことや、スクラムを試行錯誤しながら研究プロジェクトに適用したこと、そのために便利なツールを導入したことの成果が少しずつ出てきていると思います。

もちろん、まだまだ課題はたくさんあります。研究という不確実性の高いプロジェクトで工数の見積もりをどうするかという課題や、研究プロジェクトの意義や成果を客観的に検証できるのかという問題、無数に生まれる研究のアイデアや仮説の適切な管理方法を洗練させる方法など、いくつも改善策を見出したいことが山積みです。

勉強会は週に1回のペースで行なっており、これからは毎週の勉強会で得た気づきや議論の内容などをこのブログ上で公開していきたいと考えています。

どうぞよろしくお願いします!